8月の休日、シェフ金子とスーシェフ香田が一緒にキャンプに行ってきました。
昨年4月に愛娘(本当に可愛い!)が誕生してから、育児という重大な任務のため、大好きなキャンプを自粛してきたスーシェフ香田。しかしこのたび、やっと念願のチャンスがやってきました。一緒に行くのは1年半ぶりだそうで、その喜びようと言ったら、遠足前夜の小学生です。
出発前日の土曜深夜、我々が自宅であれこれつまみながら一杯やっていると、ラインの受信音が。自宅のリビングをキャンプ場に仕立てて、好きなお酒やつまみをズラリと並べたスーシェフ香田の写真。「最高です!」というメッセージ付きです。
仕事でヘトヘトに疲れた後の真夜中に、よくこんなエネルギーがあるものです。「ねえ、ちょっと張り切りすぎじゃない? 何もないといいけど……」と言う私に「おいおい、不吉なこと言うのやめてくれよ。香田、久しぶりで嬉しくて仕方がないんだから」とシェフ金子。
サンルスーの雨男といえば、間違いなくスーシェフ香田のこと。何か楽しみなことがあるとたいてい大雨か台風、本当に気の毒な男です。でも今回、お天気は大丈夫そう。天気予報を何百回もチェックしてますから。
が、キャンプ前日の日曜の朝、スーシェフ香田が血相を変えて「シェフ! 緊急事態です!」……店の大事な機材が壊れたのか、当てにしている食材がまたしても入らなくなるのか、ビクッとします。
「予約した○○キャンプ場! スタッフがコロナに感染して休業だそうです!」
苦労してやっとの思いで予約した大人気のキャンプ場。私の嫌な予感は図らずも的中となりました。
「またコロナか! 勘弁してくれよ!」と言いながら、間髪入れず別のなじみのキャンプ場をあたり、無事に予約完了。こんな素早さ、できれば日々の仕事にも生かしてもらいたいものです。
晴れてなんとか日曜日の夜中、2人はいそいそとキャンプに出かけて行きました。今回のテーマは「ひたすらまったりと呑んだくれる」だそう。張り切るにも程があるスーシェフ香田に、何を食べるのか聞くと、「シェフにぜひ紹介したい冷凍餃子があるんです!」……紹介って、キレイな女性じゃあるまいし、擬人化された冷凍餃子も大したものです。もう完全に心はどこかの世界に飛んでいる模様。
さてキャンプ当日、こっちが家中の掃除で忙しいっていうのに、シェフ金子からいちいちラインで呑気な写真が何十と送られてきます。が、見ると「紹介したい冷凍餃子」も、お供の焼きおにぎりも、なんとも美味しそう! もちろん雨男がいるのでちゃんと雨は降ったそうですが、2人にとって、そんなちっぽけなことはなんてことないようでした。
考えてみたら、果たして私には夜も眠れなくなるほど楽しみなことってあるだろうか? この数日間、「男ってなんて単純で子どもみたいな生き物なんだろう」とあきれて見ていたわけですが、だんだんうらやましい気持ちになってきました。
自然の中で食べるゴハンが格別に美味しいのも、炎に癒されるのもわかりますが、不便な中で料理して、それを片付けて、帰ってから後始末をするのに大切な休日を費やすのは、私にはちょっと……。
男のロマンもわかるけど、やっぱり家で大好きなゴハン作りをする方が楽しいな、と現実的なことを考えてしまうのです。
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