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テイクアウトはじめて物語(その1)

2020年の4月、最初の緊急事態宣言が出て、1週間営業をお休みし、この先どうしようと考えていたときのことです。あるおなじみのお客様のメモが、ポストの中に入っていました。


「僕の誕生日なのに、サンルスーはお休み。テイクアウトで前菜の盛り合わせを作ってください」



テイクアウトをやることだけはあるまいと考えていた私たちだったので、このメッセージには衝撃を受けました。


店の皆で話し合い、せっかくこのようなお申し出をいただいたのだから、ダメもとでやってみよう。そして、どうせやるなら、とことん楽しんでやってみよう、と結論が出ました。


さて、いざ始めてみると、これが想像以上に大変な作業で、面食らうことも多々ありました。でも、毎週毎週買ってくださるお客様、小さなお子様がいらっしゃるからご来店できなかったお客様、サンルスーをつぶしちゃいけないという使命感で買ってくださるお客様…。想像していたよりずっと多くの方々が、私たちが出した小さな告知を見てお電話をくださり、お店を訪れてくれました。


お客様商売をしていて、こんなにありがたいと感じたことはありません。大変だけど、お店をやっていて本当に良かった、と心から思いました。

こうして我々は、予期せず始まったテイクアウトメニューの仕事にはまっていくことになるのでした。

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