大幅な制約はあるけれど、サンルスー、なんとか6月25日から店内営業を再開させることができました。20時閉店とはいえ、テイクアウト営業に比べてはるかに疲れはするけれど、やはり店内営業はいいものだとしみじみ感じます。心地よい疲労感が、労働の後のお酒をよりいっそうおいしくしてくれます。
お客様が続々と、笑顔でお越しくださいます。滞在時間90分という我々の世界では考えられない時間制限も温かくご理解くださる、サンルスー自慢の見識高く善良なお客様。超特急のお食事でゆっくりお話もできない中、「ずーっと待ってた!」などと言っていただくと、本当に感動モノです。
小学生の頃から通い続けてくれている、我々にとって可愛くて仕方のないお客様が、再開初日に「今日、入籍してきました」と、電車をいくつも乗り継いで来てくださった時には、思わず抱きしめようかと思いました。2ヶ月も前のお誕生日のお祝いをしにご来店くださるお客様、逆にこの先どうなるかわからないからと、1ヶ月先の結婚記念日のお祝いを前倒ししてご来店くださるお客様。お酒好きのご家族3人、全員だとお酒が飲めないのでジャンケンで負けた息子さんを残していらしたというお客様。ジーンとしたり、クスッと笑ってしまったりと、私の気持ちも何かと忙しいのです。
さて、営業再開したら我々がとにもかくにもやりたかったのは、季節柄次々と収穫されるサンルスー屋上ガーデンの野菜をお客様に食べていただくこと。OBENTOYAサンルスーでは作るものに制約があり、なかなか活躍させることができず、ひたすら自家消費でした。もう一生分のイタリアンパセリやディル、フェンネル、シブレットを食べ、フレッシュハーブティーを飲みました。食事の最初に採れたてのきゅうりに味噌をつけて食べるのも、ズッキーニを生で食べるのもすっかり習慣になりました。
今や料理のそこかしこに屋上ガーデンの野菜やハーブが散らばっています。自分たちで作った野菜やハーブ、どうしても買ったものとは思い入れが違います。もともと色白な屋上ガーデン担当部長のスーシェフ香田、後頭部から首にかけて後ろだけ黒く日焼けしていて、かなり面白い姿です。ちなみにもともと色黒のシェフ金子、あまり変化はありません。
ガーデンのお世話など一度もしたことがないくせに、お客様に「これはね…」とあたかも自分が育て上げたかのように自慢げに説明する私に、「やっぱり味も香りも全然違う!」と期待通りの反応をしてくださる、素敵なお客様。こんなやりとりも、店内営業ならではの楽しさです。
この先、コロナのせいで営業もどうなるのか全くわかりません。でも与えられた状況のもと、とにかくできる範囲でやれることをやるしかない、そんな悟りを開いたような気持ちで営業できるありがたみを感じております。
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