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今年はどんなカンジで?

お久しぶりすぎて、すっかり浦島太郎の気分です。


松の内もとうの昔に明けて、今頃何を寝ぼけたことを言ってるのか、というカンジですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします!



昨年末のおせち仕事には、サンルスー一丸となって完全にキャパシティを超え、全くもってやられました。その余波で、いまだに腰抜け状態です。


昨年末のご挨拶として、2022年の皆様に一年をお礼をブログで…と思っていたのに、何かと仕事の効率の悪い私はとてもそれどころではなく、11月、12月のことは、今思い出してもゾッとします。


今更ながら2022年を振り返ると、いまだかつて経験したことのない値上げと終売に、とにかく振り回されました。


納品のたびに当然のように値上げする食材と欠品の嵐。お客様に人気のフォアグラに至っては、欠品が長く続き「年末にはなんとか納品できます。即決しないと、すぐなくなっちゃいます!」という業者さんの脅し(に私には聞こえました)に負け、キープしてもらうことに。


いざ年末に晴れて品物が届くと、値段はなんと前年の4倍!「ねえ、ちょっと、冗談は顔だけにしてよ!」と文句を言ってやると、「僕たちもこんな金額になるなんて知らなかったんです」。おそらくどこでもこんなやりとりだらけであろう業者さんも気の毒です。


おまけに店で一番高級な機材であるスチームコンベクションオーブンは壊れるし、とにかく働かなくちゃオーブンが買えないことを、30年近く店をやっていても全くわかっていないシェフ金子。あの手この手を使ってなだめすかして鼓舞し、11月、12月と休日返上で、仕事漬けの毎日を送りました。


年も押し迫ってから、厨房組はキャンプ用の寝袋を持ち込んで店に泊まり込み(でも、ジュースやらスナックやら従えてなんだか楽しそうでした)。


また「お正月用にチーズを分けて欲しい」というお客様が多数いらしたので「利益も出ないし、私の仕事が増えるけど、智恵美、一肌脱ぐ!」と意気込んだのはいいものの、届くはずのチーズがどこかへ行ってしまうという「チーズ行方不明事件」が起き、その対応に追われて本来の山盛りの仕事ができず。全く生きた心地がしませんでした。


あんなに頑張ったつもりなのに、年が明けて年末の支払いを済ませたら、はっきり言って、すっからかん! おかげで桁の違う金額に化けてしまったオマールエビもトリュフも憎たらしい存在になりました。いつも味わう、年末を乗り切ったあのすがすがしい達成感が今回はなく、なんだか疲労感だけが残ってしまい、いまだにボーッとしています。


サンルスーの仕事始めは、年末の大掃除(!)。その晩にささやかな新年会を催したわけですが、宴の席で「今年はどんなカンジで行きましょうか?」と意欲満々のスーシェフ香田。


シェフ金子の方を見ると「……。」寝ています。ミーティングや事務仕事、座るといつも寝ています。


「ねえ!」と声高に呼ぶと「ん?」慌てて目を覚まし、「俺も還暦過ぎたし(すぐ還暦が出てきます)、よし! 今年はシンプルに行こう!」……なんだそうです。


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