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秋の食い倒れ旅〈酒飲みの聖地編〉

今回の四国旅行の最大の目的は「酒飲みの聖地、高知で飲んだくれる!」ということです。我々、朝飲み、昼飲みに、ことのほか憧れがあるのです。


私が「旅の師匠」と信頼している人が何人かいます。その師匠たちの話を総合すると、高知市を訪れたら「ひろめ市場」と「日曜市」は外せない、ということになりました。


朝から飲める「ひろめ市場」は、フードコートのようになっていて、まず席の確保が大変!万事もたもたしている我々は、席取りなど大変苦手なことですが、混み合うお昼時より前の10時頃に突入。取り敢えずシェフ金子を座らせておいて、色々買い込んで「高知の味」を楽しみます。



私の相棒は無口につき、話し相手にならないので、周りの人々の雰囲気を見て、「皆、楽しそう!」と、楽しい気分に浸りました。


土曜日ということもあり、席を探す人たちがたくさん。何だか見ていられなくて、「ここ、どうぞ」と思わず譲ってしまいました。職業的な悲しいサガと言うのでしょうか、我々としては序の口の、まだ2杯しか飲んでいないというのに…。


「ねえ、どうして私たちってこうなんだろう? 飲んだくれたくてはるばる高知までやって来たのに、ダサすぎない?」

「しょうがないよ。あの人、喜んでて良かったじゃん。また来ればいいよ」


お前はお釈迦かイエス様か?と問いたくなるような返答で「良かった、良かった」と自分たちを納得させて、ひろめ市場を後にしました。


食べ飲み足りなかったおかげで酔い潰れることもなく、夜はとても実のある、地に足のついたフレンチのお店に出逢えたので「結果オーライ」ということで。


高知市といったらやっぱり「日曜市」。旅の師匠の教えに素直な我々は、「午前中に行かないと売り切れてしまう」という事前情報をもとに、翌日朝3時に起床。


6時前から意気込んで日曜市に行ったものの、まだお店の方々はテントを組み立てている状態で、張り切り過ぎにも程がありました。


見渡せば、街にたくさん、ものすごく酔った若者がいます。文字通りの千鳥足で歩いていて、 なかなか見ごたえのある光景です。


朝8時まで営業しているラーメン屋さんは満席。「この人たち、朝まで飲んでたんだ」と気づきました。


新宿などの繁華街は違うのかも知れないけれど、コロナ以降、東京でこういう光景を見ることはまずなかったので「高知が酒飲みの聖地だというのは真実だ」と思い知らされました。


日曜市では旅の師匠の指示通り「いも天」や「田舎ずし」をちゃんと買って、高知ならではの楽しい食材も買い込み、東京への帰途につきました。


地図を見る限り、四国がとてもコンパクトに見えてしまい、一週間あれば余裕でまわれる!と思っていましたが、完全に読みが甘かったことを痛感しました。


私が生まれ育った環境は地域のほぼすべての人が柑橘業に携わっていて、誠に勝手なことではありますが、我が生まれ故郷の「西浦みかん」というものが「日本でいちばん!」と信じ込んで大人になりました。


世の中の常識としては、みかんの日本一は愛媛県ということになっていて、子供の頃から見えない相手に妙にライバル心を持っていました。


四国の旅でなんとなく日程が足りなくなり、申し訳なくも愛媛県を外したのは、こんな私の「三つ子の魂百までも」の対抗心があったからです。


旅行後、愛媛県出身のお客様に愛媛をハショッたことをお伝えすると、とても落胆されて、その魅力をたっぷりとご教授いただきました。


高知の四万十も行ってないし、仁淀ブルーも見てないし、四国のはずが三国になってしまったし、来年の旅行もまた四国にしようか?と迷っているところです。ああ、体がいくつあっても足りません。


帰りは渋滞もあり、自宅に着くまで11時間。後ろの座席で寝てるふりするのもわりと快適な、走行距離1861kmの旅でした。


さてさて、世の中はようやく秋めいてきました。10月に入ってからという、おそらく日本一売り出しの遅い「おせち」にモードを切り替えて、残された2024年を突っ走ることにいたしましょう!

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