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暑苦しい?新メニューたち

毎日暑いですね。厨房内の暑さも半端ではありません。


シェフ金子も、毎日ヒーフー言いながら「暑い」を連発しています。話しかけてもとりあえず何にでも「あぁ」か「うん」しか言わないので、ちっとも話がかみ合いません。デブを見ると余計暑くなるので、なるべく見ないようにしています。でも屋外で仕事をしていらっしゃる方たちの大変さを思うと、「うちはまだマシ」と納得するしかありません。


こんなに暑いというのに、只今スーシェフ香田はパイ包み焼きに凝りまくり。その結果、現在メイン料理に3種類のパイ包み焼きがあります。



「夏なのにパイ包み焼きは許されるのか?」


私の中でパイ包みは、どうも秋から冬のイメージが強いのですが、シェフ金子が「俺も大好きだから全然構わない。これぞフレンチ!」と言うし、私の予想に反してご注文も多く、パイ包み焼きが出ない日はありません。



そう言えば、夏場は暑苦しいからと過去、夏の時期にカスレをメニューから外したことがありましたが、一部のお客様からすごいブーイングが起こりました。


「今はどこでも室内は冷房が効いているから、カスレこそ夏に食べたい。そういうもの!」なるほど、目からウロコの説得力のあるお話でした。そんなカスレも夏の今、淡々と人気者ぶりを発揮しています。


ついでに言わせてもらえれば、スーシェフ香田、このところパイ包み焼きと同様、バスマティ米にも魅せられています。最近のまかないにやたらとバスマティ米が登場するので、「これは何かあるな」と得意の鋭い勘(!)が働いたところ、仔羊のパイにバスマティ米を混ぜ込んでいました。



バスマティ米の香り、やはり食欲が湧いてきます。時折、付け合せにも登場したりしています。凝り出すと止まらない性分なので、どうかご了承のほど、お願い申し上げます。


また、暑いけど厨房組の熱い希望で、ババ オ ラムなんていうデザートも新規参入しました。



そして、チーズ屋さんから「助けてください!」というご連絡を受け、「ひと肌脱ぎます!」と言ってしまった手前、フェタチーズ(ギリシャの羊や山羊のチーズ)を使った料理を厨房に頼みました。


すると、トゥルト・フロマージュを作り、ここ最近の定番のバスクチーズケーキとの食べ比べができるひと皿が、デザートに加わりました。



「焼き菓子か、暑苦しいな」と思いながら、こちらから頼んだ手前、そして暑さのため反対する勇気も元気もなく、すんなりとメニューに加わりました。不思議なことに、登場初日は最もたくさんご注文をいただいたデザートになりました。暑さのため、私の勘も鈍りがちになっています。


ご来店いただいてこんなこと言うのもなんですが、「よくこういうもの、食べられますね」とお客様に言うと「だからスタミナをつける!」んだそうです。本当にありがたい。


「でも私はやっぱり、さっぱりとそうめんが食べたいなぁ」と暑さを恨みながらも、仕事終わりのキンキンに冷えたビールに「旨い!」と言うために、なんとか日々を過ごしているわけです。

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