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盟友を訪ねて

鹿教湯温泉から軽井沢に移動して1日過ごし、休暇の3日目は群馬県川場村の「VENTINOVE」に突撃です。


昨年10月にオープンしたこのお店、我々と定休日が同じためにずっと伺うことができませんでした。もう夏休みしかチャンスはない!ということで、やってきました。


お店に入ってまず2人の顔を見たとき、「あ!この人たち、充実してる!」と直感しました。自慢じゃないけどもうかれこれ30年以上、接客業を生業としているので、なんだかわかってしまうのです。


1日1組だけ宿泊ができるので、まずは夕食の時間まで、お部屋でのんびりさせてもらいます。ミニマリストに憧れる私にとって、テレビも置いていないシンプルで清潔な空間はあまりにも心地よい。大きな窓から見える見事な緑をただひたすら眺める。こんな贅沢な時間、どれくらいぶりだろう?


さて、お楽しみの夕餉が始まりました。地元の食材(オリーブ油以外、ほぼ全てです。お見事!)を大切に、敬意をもって、それを今まで培ってきたイタリア料理の技術で、次々と作り出すシェフ竹内。とても楽しそう!



昨年10月、オープン前のこちらに図々しくも伺って店内を見せてもらったとき、「ガスを使わず、すべて薪火を使って調理する」と聞き、「気持ちはわかるけど、大丈夫かな?」とずいぶん心配したものでした。オープン前に試してみると、実際、店内が煙だらけで、今にも演歌歌手が登場しそうな有様だったという大問題があったのですが、それもすべてクリア。


ほんわりとした人柄の表れたあったかい料理たち。昨年客席の壁にさりげなく立てかけてあったこね鉢、そのときは「おしゃれなインテリアではありませんか」と思っていたのですが、ちゃんとサラダボウルとして使われていて、シェフ自ら客席でサラダを仕上げてくれる。話によると、実家の蔵から引っ張り出してきたとのこと。



本人はあえて言わないけれど、シェフ竹内、ご両親の影響を強く受けているのが手に取るようにわかります。実際、朝食に出てきたお粥のお供は、お母様お手製の漬物や佃煮で、あまりのクオリティの高さにびっくりしました。


彼の地元に対する強い気持ちが優しく伝わってきて、また、東京で生まれ育ったマダムの舞ちゃんが、それを全面的に理解していることにも感動します。


シェフ金子、普段はほとんどしゃべらないのに、旅に出ると人格が変わるのか、またも饒舌です。


「今はスイッチひとつでガスや電気を使って、いとも簡単に調理ができる。でもわざわざ不便を選択して、薪を割って乾かして、それに火をつけて、ちょうどいい頃合いに調理をする。これって調理の原点だよ。俺もひとりのキャンパーとして火の魅力に取り憑かれているからわかるし、実際すごく憧れるけど、それをあえて仕事で成り立たせるのは至難の技。でもそれを大変そうに見せないところが、彼らのいちばんすごいところ」


私からしても、飲食店をやっていくのは本当に大変だけど、もっと大変なのは宿泊業だと思っています。それをとても心配していたのに、「ひとつしか部屋がないから、ちっとも大変じゃない」と言い放つ。やっぱりこの2人、なんかすごくいいな。


「それにしても、薪火で焼いた肉ってこんなにもおいしいものなんだ。別物じゃない?」と言うと、シェフ金子「そうなんだよ。だからキャンプはやめられないんだよ」……私は肉=29(VENTINOVE)の話をしているのに、いちいちキャンプキャンプってうるさいなぁ。本当に、この人との会話、かみ合わない。



料理の最後には、〆としてシェフお手製のパスタを数種類見せてくれて、それを好みに合わせて作ってくれます。「せっかくだから」性分の我々、2種いただきました。絶対的に信用しているので、シェフのおまかせです。こういう演出、心憎い! そしておいしい!


「田舎暮らしって、実はとても忙しい。西荻時代は休みの日に店に来るなんてしなかったけど、休みの日は薪を割ったり畑の世話をしたり、お世話になってる農家さんの収穫を手伝わせてもらったり、とにかく忙しいです」とシェフ竹内。わかります。よーくわかります。だって私、田舎生まれの田舎育ちですから。


大変なのは十分すぎるくらいわかってるけど、それを決して言わず、相変わらず軽やかで飄々として、癒しをくれる「29」。この2人、いつも商売人としてのあり方を無言で我々に教えてくれます。今回もまた、元気をくれてありがとう。そして今のままの自然体で頑張れ!



さて、元気をたっぷりもらったところで、お次の目的地へOn y va!

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