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テイクアウト終了への思い

2月のある日、スーシェフ香田が作ってくれたまかないメニューです。


・玉レタスとパルミジャーノチーズのサラダ

・カブとキャベツとベーコンのスープ

・黄アマダイのウロコ焼き ポムピューレ添え コンソメと春野菜(芽キャベツ、新じゃが、にんじん、サンルスー屋上ガーデン野菜)の軽いクリームソース

・モヒートミントティー


食べながら「そう言えば、私たちってこういうことやってたんだね。もういい加減、こういう仕事したいね」と思わず言ってしまいました。


黙って何度もうなずくシェフ金子とスーシェフ香田。おそらく香田、こういうものを作りたくてウズウズしていたのでしょう。わかりやすい男です。



隣町でとても流行っているワインバーをやっていた大好きなご夫婦が、そのお店を閉じて、前向きで素敵な田舎暮らしをすることになりました。そのお別れの挨拶を兼ねて、食事に伺ってきました。


本当に久しぶりの、きちんと食べる外食。お店でいただくお料理はなんともおいしく、楽しく、ワインも進み、「やっぱりお店で食べるっていいな」と思っていたところ、マダムに「サンルスーさんのテイクアウト、ずっと気になっていたけど、やっぱり私たちは、サンルスーの料理はサンルスーで食べたい」と言われました。目からウロコが落ちる思いでした。


OBENTOYAサンルスーは、たくさんのお客様にお世話になって、可愛いおちびちゃんたちと話ができたりもして、とても楽しかったけれど、我々にとってテイクアウト営業でやり残したことはなく、すべてやり尽くした気持ちです。


ただ、どうしても後ろ髪引かれるのが、テイクアウトメニューを喜んで買ってくださった、たくさんのお客様たちのこと。「もう終わっちゃうんですか?」「何かの機会に、期間限定でいいからやってください」と、昨年いったん終了したときに比べ、遥かに惜しんでいただきました。


まだ外食のできない医療関係者やシニア層のお客様、仕事が忙しくてなかなか外食の時間がとれないお客様、そして可愛いおちびちゃんたち。そんな皆さんの顔を思い浮かべると、心が揺れて揺れて仕方がありません。


うじうじ迷う私に、シェフ金子が言いました。


「俺たちの本業はレストラン営業なんだよ。テイクアウトでさんざん助けてもらったお客様に、申し訳ないと思う気持ちは皆同じ。でもテイクアウトと店内営業の二足のわらじはどうしても中途半端になってしまって、その結果、迷惑を被るのはお客様なんだよ。テイクアウトは時間的にも体力的にも、それから経営的にも店内営業よりずっと楽なのはわかっているけど、これ以上、仕入れ業者さんに迷惑をかけるわけにはいかないし、何より開店を待ってくださっているお客様のために、やっぱり本業に戻るべきなんだよ」


普段はほとんどしゃべることはないのに、たまに口を開くといいことを言うものです。こんな長い演説を聞いたのは数年ぶりです。さすが代表取締役(!)、鶴の一声に従います。


これが、今の我々の正直な思いです。3月7日までだった緊急事態宣言が21日まで延長されましたが、ビストロサンルスーはOBENTOYAサンルスーを閉店し、本業に戻ります!

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