シェフ金子、今年になって気持ちに余裕ができたのか、ボチボチとキャンプに出かけ始めました。本人曰く、これを楽しみに辛い年末を乗り切ったのだそう。
一体何がそんなに楽しいのか、私にはちっとも理解できませんが、とにかく嬉しそう。普段は扱いがめっぽう大変なのに、キャンプが近づいてくると物分かりの良いヒトになります。頼みごとをするならこの時に限ります。
スーシェフ香田、愛娘が誕生してからは育児という重大な任務のために、大好きなキャンプを自粛しています。ある日、エラい荷物を背負ってきたと思ったら、まかないをキャンプスタイルにしたいとのこと。各自にキャンプ用のガス台とフライパンを設置し、大掛かりな焼肉ランチとなりました。
その日は食後の店内の匂いを消すのに一苦労。シャワーキャップを持って来ればよかったと心底思いました。「この人、本当にキャンプに行きたいんだな」と、おかしくもなんだか気の毒になってきました。
スーシェフ香田の住まいは、緑豊かな練馬区。とにかくじっとしていられない性分ゆえ、とうとう見つけてきました! デイキャンプができる、野外炊事広場のある運動公園です。
思い立ったら即実行タイプの彼は、シェフ金子が馴染みのキャンプ場にソロキャンプに行ったちょうど同じ日に、家族で初めての「ファミキャン」を決行。
前夜、キャンプ用に串刺しにした肉を何やら仕込んでいて、「シェフ、これをお持ちください!」とシェフ金子の分も用意しています。これではよくできた奥さんか、優しいお母さんです。
シェフ金子「おっ! いいつまみができた!」と喜んで大事そうに冷蔵庫の隅っこにしまいました。「この人、絶対に忘れるな」と思っていたら、案の定、ちゃんと忘れて行きました。一事が万事、この調子です。
それぞれの休日。
小うるさいパートナーのいない、一人だけの贅沢な時間を過ごすシェフ金子。
普段仕事で朝から夜中まで不在のため、休日くらいはとじっくりイクメンぶりを発揮するスーシェフ香田。家族を自分の趣味に取り込む作戦です。
「二人とも、とっても楽しそうでした!」と報告するも、いちばん楽しそうなのはスーシェフ香田、あなたです。
さて、私はと言えば、我ながら「私って暗い?」と思いながらも、週に2日ある店の定休日のうち1日は「家から一歩も出ない日」を理想としています。
家中をピカピカに磨き上げ、仕事の日には満足にできないごはん作りを思う存分するのが何よりの楽しみです。私にとってこの時間が「人間らしく生きてる」と思える大切な時間なのです。
コロナ前までは本当に仕事漬けの毎日で、いつも時間がなくてピリピリ、イライラしていました。定休日もやりきれない仕事の山の処理で終わる日々。「私、このまま仕事だけして人生を終わるのかな?」といつも不安でしたが、コロナ禍を経験したことによって考え方が変わりました。日々の労働は相変わらず長時間だけれど、休日を自分のために使うことができるようになりました。
本当に、私の趣味は素晴らしく安上がりです。こんな主婦の鑑のような私なのに、どうして誰一人として私を褒めてくれないのでしょう? 本当に不思議で仕方がありません。
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