リトリートとワーケーション
- vivstudio
- 2025年9月25日
- 読了時間: 3分
新潟旅2日目は「生きているうちに一度は行ってみたい」と憧れていた宿に泊まりました。最近流行りのモダン旅館とは違う、昭和を感じさせる正統派です。
しかしながら、「リトリート」という洒落た言葉に酔いしれていた我々が、満を持して伺った宿で、まさか温泉の硫黄の匂いに酔うことになるとは、夢にも思いませんでした。箱根の大涌谷にワープしたのかと思いました。泉質にこだわる人にはこの上ない上質な温泉なのでしょうが、硫黄の匂いが全身にまとわりついて「リトリート」が非情にも私から離れていく·······。
食事は奇をてらわない、こねくりまわさない正統な和食で文句なく素晴らしいものでした。「しみじみ美味しい。派手さもサプライズもない、一見シンプルだけど何とも奥深い。作る人の高い技術を感じるこういう食事が俺は好きだ」と唸り続けるシェフ金子。王道ってやっぱりいいな。

我々のお世話をしてくださった、10代の可愛いらしい仲居さんの接客が、人間味があって、心がこもっていて、とても一生懸命で、「接客とはこうあるべき」と教えてもらった思いがしました。
しかし、くどくて誠に恐縮ではありますが、都会の垢は落としてもらったけど、硫黄の匂いが染みついて離れません。
「ねえ、あの可愛い仲居さん、あの若さで硫黄の匂い、嫌じゃないのかな?」「俺が思うにはだよ。地元って言ってたから生まれた時から慣れた匂いでこれが当たり前なんじゃないか? あんた(私です)が生まれた時から富士山と海を毎日見てたから何とも思わないのとおんなじだよ」とどうでもいい分析をして、宿を後にしました。
件の仲居さんが「帰り道に、とっても美味しいジェラート屋さんがあるから、絶対に寄ってくださいね!」と教えてくれたので、何かと従順な我々は、見渡す限り田んぼしかない場所にあるジェラート屋さんに向かい、それはそれは見事に美味しいジェラートを食べて、硫黄の匂いを振り払ってきました。

3日目は寺泊をちょい見し、金物で有名な燕三条を冷やかして、掘り出し物(栓抜きがナント!48円!)を見つけて有頂天になります。
最後は評判の回転ずし(これも別の所を予定していたのに、例の仲居さんが「ここがいい!」と断言するので、素直に従いました)を食べて、その安さに驚き、新潟に別れを告げました。

そして夜、シェフ金子が好きな軽井沢に到着です。慣れた場所はホッとします。
我々にとって軽井沢は「リトリート」というより、ちょっとした「ワーケーション」(仕事と休暇を組み合わせる)というのでしょうか。ゆったりとした気持ちになりながら、店の買い出しをする場所です。
夏休みの最終日に行った大好きな農産物直売所で「袋を付けてください」とお店のおばちゃんにお願いしたら「良かったら、新聞紙で作った袋がタダだから、それに入れてって」と手作りの袋をくださいました。「お客さんが喜んでくれる」とのこと。

きちんとマチも付いて、優しいメッセージと可愛いイラストまで付いて、何と素敵なことをするんだろう? レジ袋を買うと3円だけど、ものすごく手間のかかった新聞紙の袋をもらうとタダなんて、憎いにも程がある!
「これだから俺、軽井沢通いやめられないんだよ」とシェフ金子。そう、我々にとって軽井沢周辺って、こういうところなのです。






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