シェフ金子とスーシェフ香田、キャンプにはまりにはまっております。
以前から休日になると共通の趣味である釣りには行っていた二人。ベテランキャンパーである香田からずっと「シェフ、ぜひご一緒に!」とキャンプのお誘いを受けていましたが、気ぜわしい日々の中、うやむやになっていました。
昨年からコロナに振り回されることになり、店の営業はしっちゃかめっちゃかになってしまいましたが、「こうなったら、仕事も人生も楽しもう!」と考えを方向転換したサンルスーの面々。それぞれに心と時間に余裕が生まれることとなり、昨年7月にスーシェフ香田指南のもと、ついにシェフ金子、キャンプデビューを果たしました。
昨年国民に一律支給された給付金10万円を全額使ってキャンプ道具を揃えている姿を見た時は、「男ってなんてもったいないことをする生き物なんだろう」と心底あきれたものです。
私にとってのキャンプとは、小・中学生の頃の経験から、皆で炎を囲んで手をつないで歌ったりフォークダンスを踊ったり、食事といえば大しておいしくもないバーベキューと焦げ焦げの飯盒炊爨、というイメージがあまりにも強く「私には無理」と到底受け入れられませんでした。
スーシェフ香田に「キャンプの何がそんなにいいの?」と聞いたら、「男の秘密基地なんです!」と嬉しそうに答えます。聞いといて申し訳ないけど「ふーん」とつれない返事をしてしまいました。
さて、大人になって初めてのキャンプから帰ってきたシェフ金子。最初の一言に驚きました。「俺は還暦を過ぎて初めて、こんなにはまる趣味に出逢った!」と、いつになく興奮しています。
その後、仲良しの同年代の友人夫婦にこの話をして、一緒にあきれてもらおうと思ったら、「一緒にキャンプに行こう!」と予想外の答え。あれよあれよという間に日程も決まり、なぜか私もキャンプに行く羽目に。
実際行ってみて驚いたのは、キャンプは大人のレジャーだということ。キャンプをしている人たちが皆さんマナーが良く、淡々と静かに自分の時間を楽しんでいます。他の人々の食事を覗くのも楽しく、いろんな人間模様が見えてなかなかいいものでした。
私は仕事柄、ゴミの捨て方に少々うるさいのですが、帰り際に人々が捨てるゴミのきちんとした分別の仕方にも感心し、「このレジャーはホンモノだ」とゴミで妙に納得してしまいました。
それにしても、毎日毎日朝から夜中まで料理を作っては片付けて……を繰り返している料理人なのに、なぜそんなにキャンプに夢中になるのか、私にはわかりません。「キャンプの何がそんなにいいの?」とシェフ金子に尋ねると、「キャンプってね、男の秘密基地なんだよ」。
ここで黙って聞いてあげればいいのに、また私の悪いクセが出てしまいました。「ねえ、それって香田君が言ったセリフじゃない?」
緊急事態宣言が繰り返される中、キャンプの計画を立てては流れ、立てては流れと、こちらも繰り返しになってしまう、なんとも気の毒なキャンパーどもなのでした。
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