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東京エスケープ、軽井沢ルーティン

軽井沢詣に最適の季節がやってきました。


コロナ前までは、真夏と真冬を除いて月に2回ほど、軽井沢(20km圏内をそう呼ばせていただいております)に野菜などの買い出しに行っていましたが、3年ほど前からシェフ金子が突如として「キャンプ」という、本人曰く人生を変えるほどの「ピッタリはまった」趣味に出会ってしまいました。それからは「月に一度はキャンプに行く!」という、私から見ればどうでもいい、しかし本人としては極めて重要な目標のもと、軽井沢行きは月一になってしまいました。



サンルスーのある西荻窪は大好きな街ですが、我々の生活の実態ははっきり言って、家と店を往復しているだけ。東京にいる限り、いつもしなくちゃいけない仕事に追いかけられているので、軽井沢詣は現実逃避の東京エスケープ作戦です。


とはいえ、軽井沢に行っても我々にはルーティンが決まっていて、とても忙しい。お決まりのホームセンターへ行って様々な備品・消耗品を調達し、この世でいちばん愛するスーパーでじっくり買い出しをし、贔屓にしている野菜直売所を数ヶ所まわって、そうそう、信州そばも食べなくちゃいけません(我々は蕎麦屋さんめぐりを勝手にライフワークと呼んでいます)。ああ、忙しい。



東京にいると移動だけでもとても時間がかかるし、車なんて使おうものならまず駐車場探しに奔走しなくてはならず、おまけに高い駐車場代にびっくりし……。一日かけてもひたすら疲れるわりに、大して用はこなせません。


しかし軽井沢周辺にいると、もうサクサクと音がするほど、やることリストをこなせるのです。ああ、気持ちいい。でも、何なんだろう? このゆったりとした時間の流れ……。


そして、我々にとって何より贅沢な時間を過ごせるのが、いくつか決めてあるカフェでゆっくりとお茶を飲むこと。本を読み、そしていろいろなことをじっくり考える……こういう時、相方がだんまり屋だと誠に都合がいいものです。万が一、シェフ金子がおしゃべり好きだったら、うっとうしくて仕方がありません。


夜はこれまたお気に入りのお店で食事をして、普段ならまだ仕事をしている時間に床に就く……こんな何でもない一日が、我々にとっては至福のひとときです。これでまた、日々の労働に立ち向かうことができるというものです。



しかし、よく考えてみれば、高校生までの田舎暮らしが不便で退屈でたまらず、憧れの東京に来たわけですが、東京にいればいたで「東京って忙しすぎる」と、叶えたはずの望みに文句を言う。全く我ながらあまのじゃくな生き物だとつくづく思います。


おそらく誰にでも癒される場所や物事があるのでしょうが、我々にとってそれは軽井沢詣。月に一度訪れて、自分を取り戻す。このパターンが「ちょうどいい」感じなのです。

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